施設紹介
岩手県大槌町に位置する「吉里吉里海岸海水浴場」は、三陸海岸の中でも屈指の透明度を誇る美しい白砂のビーチです。古くから「鳴き砂」の浜としても知られ、豊かな自然の原風景が残されています。 2025年に国際環境認証「ブルーフラッグ」を初取得して以来、2026年も認証を更新し、2年連続で維持しています。近隣にある世界的に知られる「風の電話」や、長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」のルート上にあることから、近年は国内のみならず海外からのインバウンド旅行者からも注目を集めています。東日本大震災からの歩みを経て、地元の熱い想いを持った人々が主導となり、地域の伝統文化や自然体験を融合させた温かみのあるローカル・ブルーツーリズムを展開しています。
グッドプラクティス
1. 地域の絆を総動員した、顔の見える「手作りイベント」とコミュニティの底力
予算や大規模な組織に頼るのではなく、地域の事業者、地元NPO、そして住民が一体となった「コミュニティの力」で海を盛り上げている点が、吉里吉里の最大の強みです。
海開きにあたっては、地元の宮司さんや子どもたちを招いた伝統的な神事を大切に執り行い、地域全体で海への感謝と安全を祈る文化を継承しています。さらに、地域の特産を活かした漁網のアップサイクルと絡めた環境学習など、住民や旅行者が主役となって楽しめる独自のイベントを次々と企画・実行。ブルーフラッグが求める「地域住民の巻き込み(エンゲージメント)」を、堅苦しい義務的な活動ではなく、誰もが笑顔になれるお祭りのようなエネルギーで持続させている点は、他のローカルビーチにとって大きな希望となるグッドプラクティスです。
2. アクティビティ事業者主導による、安心・安全のクオリティ向上とニーズへの対応
ビーチをフィールドにする民間事業者や新興のNPOが動き始め、現場主導で「安心な海」の価値を具体的なルールとして高めています。
近年のブルーツーリズムやSUPなどの海洋アクティビティへのニーズ高まりを受け、現場の事業者間で「ライフジャケットの着用マスト化」など、安全管理の自主基準をアップデートする動きが生まれています。行政からのトップダウンのルールに縛られるのではなく、海を案内するプレイヤー自身が「どこよりも安全に三陸の海を楽しんでもらいたい」という高い当事者意識を持って現場の安全管理を牽引しており、これがブルーフラッグの厳格な安全基準をボトムアップで支える強力な土台となっています。

【現地の声】
ブルーツーリズムの取り組みの一環として取得したブルーフラッグですが、地域の活性化や経済的な持続可能性へと繋げていくには、まだ工夫が必要だと感じています。認証を継続するためのコストも含め、活用の仕方はまさにこれからが本番です。それでも、近隣の『風の電話』を訪れる方や、『みちのく潮風トレイル』を歩くハイカーの方々が増えていることは、私たちにとっても大きな励みになっています。この地域の繋がりや広がりを大切にしながら、吉里吉里の海の魅力をさらに高めていけるよう、これからも地元の仲間と共に一歩一歩取り組んでまいります。











