【連載:ブルーフラッグと描く地域の未来 Part 3】

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東北・南三陸から考えるブルーフラッグの未来〜「認証」の先にある真の地域還元〜

JARTA(一般社団法人JARTA)がお届けする連載記事「ブルーフラッグと描く地域の未来」。

第2回では、先行する欧米の事例から、ブルーフラッグが単なる環境保護にとどまらず、地元事業者や住民へ大きなメリットをもたらす「地域還元のツール」であることをお伝えしました。

第3回となる今回は、いよいよ本連載の核心に迫ります。震災以降、海辺の環境整備が進む中でブルーフラッグの取得が広がる東北・南三陸エリアの現状と、一過性のイベントで終わらせない「真の地域還元」のあり方について考えていきます。

復興の象徴から「世界基準の海」へ。東北で広がるブルーフラッグ

東日本大震災以降、東北地方の沿岸部では、長い時間をかけて海とのつながりを取り戻すための環境整備や防潮堤の建設、海辺の再興が進められてきました。

近年、そうした復興の歩みと並行して、観光庁のブルーツーリズム推進事業をはじめとする各種支援制度・補助制度の後押しもあり、東北エリア(気仙沼、陸前高田、そして南三陸など)でブルーフラッグの取得を目指す動きが急速に広がっています。

かつて脅威となった海を、再び「誰もが安全に、安心して楽しめる美しい海」として世界基準で証明すること。それは、東北の復興において非常に大きな意味と希望を持っています。

「行政の認定イベント」で終わらせないための課題

各種支援制度を活用し、自治体が主導となって厳格な国際基準をクリアし、ブルーフラッグの「青い旗」を掲げることは素晴らしい第一歩です。しかし、私たちが最も直視しなければならない課題は「認定を受けた翌日から、誰がどうやってその旗を活かしていくのか」という点にあります。

日本の地域創生においてよく見られるのが、認定プロセスまでは行政主導で熱心に進められるものの、取得した後の活用が不十分なまま、式典や一部のイベントだけで終わってしまうケースです。

第2回でお伝えした通り、ブルーフラッグは「ゴール」ではありません。手厚い支援制度をきっかけにして取得したこの国際認証を、いかにして地元事業者(民間)や地域住民のメリットへと変換し、自走する仕組み(経済循環)を作れるか。それこそが、現在東北エリアに求められている最大のテーマです。

南三陸の海が拓く「真の地域還元」とは

では、具体的に「真の地域還元」とはどのようなものでしょうか。10月16日にブルーフラッグに関連するイベントが開催される南三陸を例に考えてみましょう。

南三陸には、豊かな海の幸や、自然と共生してきた力強い地域コミュニティという比類なき魅力があります。ブルーフラッグがもたらす「水質・安全・環境・教育」という世界基準の保証は、この魅力に強力な付加価値を与えます。

  1. 観光業・飲食業への波及「世界基準の安全でクリーンな海」というブランドは、環境意識の高い新たな観光客層(サステナブルトラベラー)を呼び込みます。海辺の体験だけでなく、地元の海産物を扱う飲食店や宿泊施設へと消費が巡る動線を作ることが不可欠です。
  2. 海を活かした民間ビジネスの創出バリアフリー(アクセシビリティ)の充実を活かしたユニバーサルツーリズムの企画や、年間を通じた環境教育プログラムのビジネス化など、行政頼みではない民間主導の新たなサービスを生み出す土壌となります。
  3. 誇りの醸成と次世代への継承地域の子どもたちが「自分たちの海は世界基準なんだ」と誇りを持てる環境教育(生きた学習の場)を提供することで、未来の南三陸を担う人材が育ちます。

ブルーフラッグは、行政のための看板ではなく、地域で商いをする人々や暮らす人々のためのツールなのです。

次回予告:JARTAがブルーフラッグを推進する理由

「取得して終わり」にせず、地域に真の還元をもたらすためには、行政・民間・住民をつなぐ継続的なサポート体制が欠かせません。

最終回となる次回(第4回)は、私たち一般社団法人JARTAが、なぜブルーフラッグの事務局としてこの活動を推進しているのか。単なる手続き窓口ではなく「伴走者」として地域と歩む、持続可能な観光への想いをお伝えします。

(第4回へ続く)

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