1.施設概要 鹿児島市の新たなランドマークとして誕生した「シェラトン鹿児島」は、主要駅からほど近い立地にあり、マリオット・ブランドとしては稀少な「源泉かけ流しの温泉」を備えたフルサービスホテルです。2年目の更新を経て、ハード・ソフトの両面から地域に根ざしたサステナブルなホテル運営を深化させています。 2.グッドプラクティス 専門技術を駆使したインフラ改善と、地域の生産者とゲストをつなぐ食のイベントが大きな成果を上げています。 ・インバーター制御による大幅な省エネ: エネルギー管理士の国家資格を持つ施設管理局マネージャー主導のもと、大型空調設備のモーター回転数を精密に制御する「インバーター制御」を導入。稼働率が上昇する中でも、毎月の電気使用量を約10%削減することに成功しました。これは年間で約700万円ものコスト削減に相当し、環境負荷低減と経営効率化を高い次元で両立させています。 ・2ヶ月に1回の「地産地消コラボフェア」: 鹿児島の豊富な食材を活かし、地域の自治体や店舗と連携した食のアクションを継続。現在は「長島町×北欧料理」のフェアを開催するなど、単なる食材調達にとどまらず、地域の魅力を新しい感性でゲストへ発信するプラットフォームとなっています。 3.課題 専門的なプロジェクトを、いかに「現場の共通認識」へと広げていくかが次なるステップです。 ・一般職スタッフへの意識浸透: 月1回の「サステナビリティコミュニティ」を開催し、管理職と一般職がペアで取り組む体制を整えていますが、現在はまだ管理職主導の側面が強いのが現状です。専門的な知見や数値を、いかに全スタッフが自分のこととして実感できる言葉に変換し、広く深く浸透させていくかを課題としています。 4.メッセージ 「当ホテルには温泉という素晴らしい資源があり、それを守り抜くためにもエネルギー管理の徹底は不可欠です。専門的なインフラ改善で着実な成果を出しつつ、鹿児島の豊かな食文化を世界へ発信していく。ハードとソフト、両輪での活動を通じて、地域から愛され、信頼されるサステナブルホテルを目指してまいります。」
施設概要 大阪駅から徒歩10分、地下道直結という利便性を誇る「イビス大阪梅田」。全181室を備え、宿泊客の約8割をインバウンドが占める典型的な都市型ホテルです。フロント業務から経理・総務までを少人数で兼任する体制の中、ホテルスタッフだけでなく、お客様や取引先業者様までを「チーム」と捉えた全員参加型の環境経営を推進しています。 グッドプラクティス 同ホテルが最も注力したのは、ゲストの困りごとを環境活動へと転換する「ゴミ分別の徹底」と「水インフラの先行投資」です。 分別のエンターテインメント化: 訪日ゲストから寄せられる「日本の街にはゴミ箱が少ない」という声に着目。ホテル内での分別を徹底することで、宿泊を通じて日本のサステナビリティを体験していただく仕組みを構築しました。 シャワー水量調整の断行: 最もコストがかかり、顧客満足度への影響が懸念されるシャワーの節水対応を、認証取得の初期段階で実施。本社と連携して慎重に導入を進めた結果、お客様からのクレームは一件も発生せず、大きな節水効果を得ることに成功しました。 課題 ビルイン型の都市型ホテルゆえに「館内にリアルな植物(グリーン)が一切ない」という環境的制約が大きな壁となりました。グリーンキーの基準を満たす上で、視覚的な緑の欠如をどう補うかが大きな議論となりました。 解決へのアプローチ: 館内の物理的制約を逆手に取り、活動の場を「館外」へ広げる方針を策定。近隣公園の緑化活動や淀川の清掃活動など、地域社会の環境保全に直接コミットすることで、施設内にとどまらないサステナビリティの形を模索しています。 メッセージ イビス大阪梅田にとって、グリーンキーの取得はゴールではなく、終わりのない「スタート」です。 「新参者として、まずは先行する施設の素晴らしい知見を謙虚に学びたい。そして取得を機に、スタッフ、お客様、パートナー企業の皆様と共に、一歩ずつ着実に環境負荷低減の歩みを進めていきたい」という決意のもと、この春から地域連携活動を本格始動させています。
施設概要 銀座の活気あふれるエリアに位置し、ルーフトップバーなど洗練された空間を提供するライフスタイルホテル「アロフト東京銀座」。東銀座駅から徒歩3分という都市型施設でありながら、2年目の更新を経て、スタッフ一人ひとりの「行動」を起点とした環境負荷低減と地域共生を強力に推進しています。 グッドプラクティス 地域の美化活動を組織文化に組み込み、廃棄物削減における劇的な成果を上げています。 「街角の花壇」が変えたスタッフの意識: 敷地内に緑地がない制約を克服するため、中央区と協力して街角に小さな花壇を設置。部署ごとに当番制で水やりや植え替えを行うほか、地域の清掃活動にも全スタッフが参加しました。この「外に目を向ける」活動がスタッフの当事者意識を劇的に高めました。 廃棄物30%削減、年間1万キロ以上の減量: 地域清掃を通じた意識変革の結果、館内でのゴミ分別精度が飛躍的に向上。2024年比でプラスチック廃棄量を約30%削減、年間換算で1万キロ以上の削減という、極めて大きな成果を達成しました。 ウォーターサーバー導入による脱プラスチック: 現在、客室では缶入りの飲料水を提供していますが、さらなる資源使用量削減を目指し、ウォーターサーバーの導入準備を進めています。これにより、容器使用量の削減と廃棄物削減の両立を図り、より持続可能な客室オペレーションへの転換を目指しています。 課題 取り組みの成果を一方的に発信するだけでなく、いかに「ゲストからのフィードバック」を得るかが次の挑戦です。 双方向のコミュニケーション設計: 既存の予約サイトの枠組みを超え、独自のQRコードを活用してチェックイン時にゲストから直接意見や提案を募る仕組みを検討中。特に理解の得られやすい海外ゲスト(約40%)を筆頭に、宿泊者と共に歩むサステナビリティの形を模索しています。 メッセージ 「サステナビリティはホテルとしての義務である前に、一人ひとりの個人としての課題です。私の故郷ネパールでも、雪山が黒く変わっていくという深刻な変化が起きています。地球規模の変化を実感しているからこそ、国籍や立場を超え、一人ひとりが今日から行動することが何より重要だと考えています。」