JARTA NEWS Vol.4
奄美大島から北海道まで、それぞれ季節が進んでいよいよ夏本番ですね。
レジャーシーズンに入り皆様ますますお忙しくされているかと思いますが、エアコンの冷やしすぎに注意しつつ乗り越えてください。
今号のJARTA NEWSは 7月の研修会の報告や、海外トピックスを中心にお伝えいたします。
Committed to accelerate the positive changes in sustainable tourism as travel agents
TOPICS
- JARTA 研修会報告 SDGsと観光
- 締め切り間近!!! トラベルマート出展者募集!
- 代表理事のヒトコト 「グランピングは玉石混淆」
- SUSTAINABLE TOURISM AROUND THE WORLD
・カリフォルニア州でホテルアメニティーに制限の動き
・野生動物を観光利用している舞台裏を知ろう
JARTA研修会報告「SDGsと観光」
2019年7月5日、大正大学にて、JARTA研修会「SDGsと観光」が開催されました。
当日は、日本各地より合計13名様が会場に足を運んでいただき、名城大学・二神真美教授からはSDGsと観光を取り巻く国内外の最新動向や、観光を通していかにSDGsを達成していくかを題材に2時間ご講演いただきました。
またJARTA代表理事の高山より具体例を通し、‟幸せになるための観光”を、(有)リボーンの壹岐さんより、‟最新SDGs体験ツアー具体例”をご紹介いただきました。
尚、大正大学・地球環境研究所のご協力を得て、各会員様にてTV会議システムにて動画配信・録画内容をメールにてご案内・共有させていただきました。
本研修会においては、SDGsと観光の基礎理解を深め、持続可能な観光を推進するための足場を固めていくきっかけとなる入口として開催致しました。
日本の観光を牽引する業界の繋がりを深める場を提供すべく、今後もJARTAとしても研修会を実施して参ります。
※ 当日の映像の視聴を希望される方は事務局までご連絡ください。
トラベルマート(VJTM)共同出展者を募集中
締め切り 8月19日!!!
前号でもご案内いたしましたが、本年10月、大阪で開催されるVISIT JAPAN トラベルマートにJARTAとしてブース出展が決まりました。
JARTAの活動PRと合わせて、各国バイヤーと、持続可能な観光を推進する会員の皆さまをおつなぎする場となるでしょう。ぜひこの機会をご活用ください。現時点ではエントリーはまだ一社様のみですので、再度参加を呼びかけさせていただきます。
開催期間: 2019年10月24日~26日
会 場: インテックス大阪(大阪国際見本市会場)大阪市住之江区南港北1-5-102
出展募集: JARTAブース枠で1日4社×三日間、合計最大12社
出店費用: 1日参加ごとの追加パスの費用5,000円
追加パス代と会場のみで共同出展できます(恐れ入りますが会場までの旅費や滞在費はご負担ください)。有意義な機会としてご活用ください。
つきましては、ご希望の日程、日数などをご検討いただき、早急に事務局にご連絡ください。できるだけ多くの会員の皆様にご参加いただけるよう調整したいと思います。
代表理事のヒトコト ~ グランピングは玉石混淆 ~
最近カンボジアの国立公園にあるグランピングの施設を視察する機会を得た。
3泊のスタンダードパッケージはカップル用で、大人だけが楽しめるオールインクルーシブ。
高級シャンパンから国立公園のトレッキングまで色々選べ、アドベンチャーバトラーと呼ばれる遊びのためのガイドが付き添ってくれる。客単価は4日間でお1人様約40万円。最大30人まで収容可能な施設だが、お客様と従業員の比率は1対4、120人を雇用し、野生動物の保護や地域住民の教育に年間数千万円を寄付。
さらに自ら目的を達成するための非営利財団も運営している。
日本で人気のグランピングは、定義化されてないため最近いささか安売り感が出ており、ラグジュアリーの意味が劣化しつつあるのを私は懸念しています。
出しているBBQの食材も冷凍で輸入品、従業員は夏場など繁忙期だけ都会から雇用している形態の施設は、はたして地域のためになっているのでしょうか。
JARTA会員のみなさまは、地域雇用や地産地消にどう向き合っておられるのか、また観光資産の継続的利用を担保するために保護保全に寄与することが望ましいとは言えども、どう実践することができるのか。
金銭または労働で支援しているなど、いろんな事例を集めて、今後の研修内容としたいと考えています。ご協力頂ける会員様、ぜひ事例集作成にご協力ください。
SUSTAINABLE TOURISM NEWS AROUND THE WORLD
カリフォルニア州でホテルアメニティーに制限の動き
今年の4月に遡るニュースであるが、米国カリフォルニア州では、宿におけるシャンプー、コンディショナー、ボディーソープなど小分けされているプラスチックボトルの使用を禁止するための法案が可決された。
ディスペンサーや12オンス(約355ml:缶1本分)よりも大きな容器に移し替えることがメインだが、2023年までと猶予が長い。しかし、マリオットのような1,500棟規模を運用する大型資本ホテルチェーンでは既に実行に移し、年間1,400万本(重量で約5.5トン)の削減となっているらしい。
わが国では歯ブラシや髭剃りなどがビニール袋に入れられている上に箱詰めされている二重包装などをまだ目にするが、小さなボトルだけに制限せずゴミ全体の削減の方向に向かってほしい。
旅行会社としても、削減や環境配慮型の容器への変更要請をしたり、努力をしている宿泊施設の採用が積極的にできるよう、旅程造成時のガイドラインとして入れることを、明日でなく、今考えて頂きたい。
California Bill Moves To Ban Mini Hotel Toiletry Bottles
野生動物を観光利用している舞台裏を知ろう
SNSなどを利用した野生動物との記念写真は、みなさんがご存じのように世界中で人気がある。以前はサーカス、動物園、水族館など野生動物を施設に入れ、一方的に見せる方法が主流であったが、最近では、実際にゾウに乗ったり、トラやパンダと一緒に撮影している。
わが国でも猫やウサギだけだと思っていたらいつの間にか、ふくろうやカワウソまでが都会の密室カフェで飼育されるようになっている。ふくろうカフェの場合では、飼育員のみ触ることができ、フラッシュ撮影禁止など最低のガイドラインがあるものの、動物の虐待と国際的に見られている体験を観光商品として販売するのはどうかと思われる。
これからの季節に人気のマンタやイルカを生け簀に入れて観光客と泳がせる商品も目に付く。
持続可能な観光国際基準でもこのことには触れている。「野生生物とかかわる際は、負の影響をおよぼさないように干渉せず、責任を持って対応し、野生生物に対する累積的な影響を考慮に入れた上で、野生生物の生存能力や個体群の行動に悪影響を与えない」「国内法および国際法に基づき適切に管理された活動を除いて、野生生物の捕獲、繁殖、飼育を行わない。」「リハビリなどの特別な場合を除き、野生動物は捕獲や飼育はしてはならない」と。
ひどい飼育環境下で労働を強いられている動物たちの例がこの記事では紹介されているが、劣悪な飼育環境であることを伝え、観光客や旅行会社が利用しないための運動をさらに進めていく必要があるのではないか。2018年にはタイを中心にアジアでのゾウキャンプに対し、アニマル・ウェルフェア(動物愛護管理)の国際基準を欧州の認証団体Travelifeが策定している。
Suffering unseen: The dark truth behind wildlife tourism
2019.7.31 発行