ブルーフラッグ

私たちの選択が、海の未来を変えていく

生命の源であり、常に私たちを癒やしてきた海。 しかし今、その海はかつてない危機に瀕しています。打ち上げられる無数のゴミ、上昇する水温、激減する海洋生物。陸地からの活動のしわ寄せは、私たちのすぐ足元で現実となっています。

私たちが今守るべきものは、ただの海や砂浜だけではありません。 国際的な信頼のシンボルである「ブルーフラッグ」は、環境保全だけでなく、地域の魅力再発見やシビックプライドの醸成、そして海に関わるすべての事業者と住民の連携を示す、強力な「地域まもり」の手段です。

先行するヨーロッパでは、地図を開けばブルーフラッグのビーチが海岸線を埋めるように並んでいます。

青い旗は、海を守る証。そして、私たちが目指すべき未来の目印です。

面: 地域一体となって
統括する
「マネジメント」

全体最適で「地域」を守り抜く

世界で最も歴史ある、海のサステナブル基準。

ブルーフラッグは、1985年にフランスで誕生し、現在は国際環境教育基金(FEE)が運営する、世界で最も歴史と権威のある国際エコロジカルラベルです。海や砂浜の美しさを守るための、極めて厳格な基準をクリアした場所にのみ授与されます。

現在、世界50カ国以上、5,200を超える拠点が取得。対象はビーチ(海水浴場)だけでなく、ヨットなどが停泊するマリーナ、そして海を巡る観光船舶(クルーズ船等)にまで及び、海に関わるすべてのステージがこの共通の未来に挑んでいます。

綺麗だから、安全だから選ばれるのではありません。 水質、環境教育、安全面、管理体制にわたる厳しい認証基準を「すべて満たすこと」が求められる、真に持続可能な海づくりのための制度です。

ブルーフラッグの歴史

1985年フランスで子供たち1,000人が「手紙を詰めたボトル」を海に流す環境教育プロジェクトが始動。汚染が海流で世界へ広がることを証明したこの活動のシンボル「青い旗」がブルーフラッグの原点となる。
1987年欧州委員会の支援を受け、「欧州のブルーフラッグ」として認証制度が本格スタート。欧州10カ国、244のビーチと208のマリーナで初の認証を実施。
2001年南アフリカの加盟を機に、ヨーロッパ限定の制度から名実ともに「世界共通の国際認証プログラム」へと発展。
2014年世界50カ国でブルーフラッグが実施されるまでに国際的な規模が拡大。
2016年日本・アジア初のブルーフラッグが誕生。 神奈川県鎌倉市の「由比ガ浜海水浴場」と、福井県高浜町の「若狭和田ビーチ」が同時に認証を取得。
2022年神奈川県逗子市の「逗子海水浴場」に加え、「リビエラ逗子マリーナ」がマリーナとしてアジア初の取得を達成。
2026年
現在
世界50カ国以上、5,000以上のビーチ・マリーナ等で展開される世界最大級の環境認証へと成長。一般社団法人JARTAが国内の事務局を務めるなか、日本国内の認証数は計15カ所(ビーチ12カ所、マリーナ3カ所)へと拡大。

ブルーフラッグ取得施設

※地図や各ブルーフラッグロゴをクリック(タップ)すると地図の拡大縮小、取得ビーチ(マリーナ)の情報が確認できます。

「ゴミのない砂浜」なら、本当に綺麗な海でしょうか。

私たちは、砂浜にゴミが落ちていなければ「美しい海」だと思い込んでしまいがちです。 しかし、いま海が抱えている本当の危機は、私たちの目に見えない場所、そして想像を超える規模で静かに進行しています。

日本でも先進的なビーチが少しずつ未来への一歩を踏み出していますが、全国的にはまだまだこれから。私たちが今、真剣に向き合うべき「海の4つの現実」です。

1. 回収が追いつかない、大量のゴミ

日本の海岸には、毎年膨大な人工ゴミが漂着しています。私たちが目にする綺麗な砂浜は、絶え間なく押し寄せるゴミと、ボランティアの回収による限界ギリギリの「イタチごっこ」の上に成り立っています。

2.「見た目の青さ」に隠された水質の変化

一見すると透き通って美しい海水であっても、目に見えない細菌の繁殖や、陸からの排水による汚染は、確実に海の生態系を蝕んでいます。表面的な綺麗さだけでは、本当の安全は測れません。

3. 生態系を置き去りにした「人工的な美しさ」

観光客のために自然の海藻や漂着物を力任せにすべて排除することは、砂浜を一瞬綺麗に見せますが、実は浜辺の小さな生き物たちの住処や、自然の循環を破壊することでもあります。

4.姿を消していく生き物たち

海洋温度の上昇や、目に見えない環境の変化によって、かつて当たり前にそこにいた魚や貝、海草たちが静かに姿を消し、海の色やバランスそのものが変わり始めています。

青い旗は、地域の誇り(シビックプライド)になる。

ブルーフラッグを取得し、そして毎年維持し続けること。そのプロセスそのものが、海に携わる観光業者や周辺地域、そこで暮らす人々を一つに繋ぎ、持続可能な地域を育てる強力な原動力になります。

ブルーフラッグが定める4つの分野の約束は、海を美しく再生させるだけでなく、挑戦する地域と人へ、これまでにない価値を還元します。

1. 安全:ライフガードの常駐と、誰も排除しないバリアフリー

高度なトレーニングを受けたライフガードが常駐し、万全の医療・救護体制を整備。さらに、車椅子でも海を楽しめるアプローチを作ることで、「誰も置いていかない、最も優しい海がある街」という確かな安心と誇りが地域に生まれます。

2. 環境教育:海を「生きた教科書」に。子どもたちの未来を育む

年間を通じて、誰もが参加できる多様な環境プログラムを地域で実施。地元の学校と連携したワークショップや、観光客を巻き込んだ体験を通じて、地域の次の世代が自ら海を守る主体へと育っていきます。

3. 環境管理:世界が認めた「ブルーフラッグの街」としてのブランド

国際環境教育基金(FEE)の厳しいチェックを毎年クリアし続けることは、容易ではありません。だからこそ、青い旗が掲げられた砂浜は世界基準の一流ブランドとなり、地域の知名度や観光価値を中長期的に底上げします。

4. 水質:科学が証明する、本物の安心という還元

定期的な水質検査の数値をすべてオープンにし、最高のごまかしのない安全を担保すること。その徹底した姿勢そのものが、周辺の観光事業者や飲食店、そして住民へ「どこよりも信頼できる海」という価値として還元されます。

さあ、ブルーフラッグの旗のもとへ。

美しい海を守る取り組みは、決して地域や事業者だけの仕事ではありません。 青い旗がはためくその場所を選ぶこと。それこそが、旅人であるあなたにできる、最も美しくパワフルな意思表明です。

あなたが心奪われたあのどこまでも続く青を、次の世代へ手渡していくために。


次の旅では、ぜひ「ブルーフラッグ」のマークを探してみてください。 その砂浜を訪れ、その海に触れることは、持続可能な未来を選び、海を守る地域を応援するという、あなたからの素晴らしい賛同のサインになります。

【あわせて届けてほしい、あなたの声】

JARTAでは、事業者だけでなく、海を、旅を愛するすべての人とともに未来をつくる「サステナブル宣言」を行っています。

「あの美しい海を、明日も青いまま残したい」 その想いを、地域任せにするのではなく、あなた自身の言葉として世界に宣言してみませんか?

あなたの小さな署名が、これからの海の観光を変える大きなうねりになります。 持続可能な旅の仲間として、あなたの声をぜひ私たちに届けてください。