JARTA NEWS Vol.2
月一回の発行を目指しているJARTA NEWSですが、今回の発行が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。1月号としてスタートしましたが、今後はVol.1,2…で行こうと思います。よろしくお願いいたします。悪しからず、ご了承ください。
Committed to accelerate the positive changes in sustainable tourism as travel agents
TOPICS
- JARTA 理事会、総会のご案内
- 東京フォーラム報告
- 福島の観光フォーラム
- JARTAメンバー活動事例紹介 デスティネーション・アジア・ジャパン
- Honorable mention 受賞報告:田辺市熊野ツーリズムビューロー、㈱北海道宝島旅行社
- WORLD NEWS ITBベルリンリポート
2019年理事会並びに年次総会開催のご案内
北海道から奄美大島まで日本各地に点在するJARTAメンバーのみなさまに、同時に季節の挨拶をするのが難しいことに気づきましたが、事務局のある関西では花粉の飛散とともに春のあたたかい陽気が感じられる頃となりました。
さて、理事のみなさまにはすでにご案内させていただいておりますが、下記の通り年次総会並びに理事会を開催いたします。新規ご入会いただきました正会員、賛助会員の皆さまにも総会と交流会、そして翌18日に予定しております島内散策にはご参加いただけますので、ご希望の方は事務局までご一報ください。
■日時: 2019年4月17日(水)14:30~17:30 (14:30 理事会 16:30 総会)
会議終了後、みなさんと島を味わう食事をしたいと思います
18日午前から 希望者で島内散策
■会場: 登録有形文化財 春陽荘 〒656-0012 兵庫県洲本市宇山2丁目5-4
https://shunyoso.jp/ja/top-ja/
宿泊費 4000円 (食事は含みません)
他にタクシーで行ける温泉宿などもあります。
サスティナブルツーリズム国際認証東京フォーラム
みっちり2日間、国連大学にてサステイナブルツーリズム国際認証東京フォーラム最終回へJARTAとして出席して来ました。
100年先をみすえた観光地域づくりのため、国際的な開発目標であるSDGsへの取り組みを観光分野においてもその持続可能性を検証してゆく必要性が高まっています。
その中で、責任ある旅行会社集団として産声をあげたJARTAとして国際フォーラムにおける情報収取および発足発表を行うことを目的として参加の運びとなりました。
まさにこの先の観光のあり方を大きく左右するテーマで盛りだくさんの会場で、それらにまっすぐに取り組む全国から集まった事業者との間において、多くのコンセプト共有を行うことができた熱い週末となりました。
何よりも、この国際フォーラムの場でJARTA発足と存在の周知が広範囲に届けられた事は大きな一歩となりました。
JARTA事務局長 田村啓
第14回国内観光活性化フォーラムinふくしまに参加して
全国旅行業協会(ANTA)は、全国各地で地域に密着して旅行業を営む旅行業者約5,600ものを会員としている特性を踏まえ、全国支部組織の連携、結束の強化を図るため、平成15年以来国内観光活性化フォーラムを開催しています。
開催県における国内観光の活性化に貢献するとともに、着地型旅行を推進しており、JARTAではこの機会を生かしたいと考え、平成31年2月15日に福島県郡山市ビッグパレットふくしまにおいて開催されましたフォーラムに参加しました。
当日は1,200ものANTA会員が出席し、並びに出展されていた東北を中心とした多くの市町村や観光関連産業の方々にJARTAの存在意義をお話ししてきました。事務局からは「チェルカトラベル」の羽田氏と「スピリット・オブ・ジャパン・トラベル」からは代表理事の高山が参加。
このたびJARTAにご入会いただいた奈良県の「やまとびとツアーズ」の堀井社長とお話ができただけでなく、和歌山県の「田辺市熊野ツーリズムビューロー」や埼玉県の「リボーン」、「北海道宝島旅行社」を知る方にも多数お越しいただき、各旅行会社による横のつながりの強さを感じました。
なかでも、青森に籍を置く「たびすけ」の西谷社長の知名度高さにはただ驚くばかりでしたが、地域に根差した活動をされていることを裏付ける活動が地域を元気にさせている好事例と感じられました。JARTAの加盟会員による地域応援型の旅行会社が増え、協力体制を強化することで、新たな価値を見出すことができると確信しました。
JARTAメンバー紹介
DESTINATION ASIA JAPAN
私たちは、バンコクのメインオフィスを中心に、東南アジア11か国で展開するDMCとして2011年に日本オフィスを立ち上げました。主な業務は、個人/団体旅行からMICE及びクルーズ寄港地の企画手配です。
会社全体としての持続可能な取り組みとして、オフィスでのコピー用紙・インクの節約、節電、グリーン購入の実施等、また、ツアーにおいては児童労働などから子供を守り人権を尊重する業者との事業、野生動物の保護などがあります。
日本オフィスでは、2018年に旅行者が訪問地域へ具体的に貢献できるツアープログラムを造成しました。
海外では、まだまだ認知度の低い東北地方を、地元密着の事業者と協力しながら、各地域での交流を通じて体験、学べる内容です。通常は、専用車を手配するところを、すべて東北での移動手段は公共の交通機関を利用し、移動方法がない場所では、宿泊先の事業者にお手伝いしてもらいます。
福島では、西会津を訪問。秋田では農泊体験を通じ、農家のお手伝いをしながら、自分たちで収穫した食材を味わい、岩手では、陸前高田を訪れ、三陸海岸の復興の様子を地元のガイドの案内、地域の人々との交流を通じて学びながら、みちのく潮風トレイルの一部を歩きます。
株式会社 デスティネーション・アジア・ジャパン 渋谷 武明
HONORABLE MENTIONS!!!
第 10 回観光庁長官表彰 「田辺市熊野ツーリズムビューロー」
平成30年10月1日、観光庁は、魅力ある観光地づくりやその魅力の発信、訪日外国人旅行者の誘致など、観光の振興、発展に貢献し、その業績が顕著な個人及び団体に対して「観光庁長官表彰」を実施しています。
この度、今年度の観光庁長官表彰の受賞者が決定し、近畿運輸局管内では、「一般社団法人 田辺市熊野ツーリズムビューロー」が受賞しました。
その功績としては、和歌山県田辺市で、地域住民と連携した着地型観光によるまちづくりを実施し、滞在プログラムを多数企画・販売し、外国 人の受入環境整備を牽引。
特に、同法人が運営する旅行サイト「KUMANO TRAVEL(日本語、英 語)」において、平成22年10月から独自の「予約決済システム」を導入し、ワンストップで の受入を可能にしたこと、 また、受入地としてのレベルアップを行うため、熊野古道看板・観光施設内展示等への英 語表記、指さしツール(英語、日本語)作成、外国人スタッフによる観光客対応レベルアッ プセミナーなどを実施してきた点が評価されました。
ますますのご活躍を期待いたします。
おめでとうございます!!!
日本サービス大賞 優秀賞 株式会社北海道宝島社
「地域の魅力を価値に変える訪日外国人向け体験型旅行サービス」
平成30年6月29日、サービス産業生産性協議会が主催する「第2回日本サービス大賞」において、株式会社北海道宝島旅行社さんが優秀賞を受賞しました。
北海道からは、第1回の旭山動物園(地域創生大臣賞)に続き2例目、旅行業界からは全国で初となります。
その選考理由としては、専門知識を有したスタッフが従来素通りされていた地域に入り込んで信頼関係を構築し、その地域ならではの魅力を掘り起こして旅行商品「体験交流プログラム」を開発。
観光地を巡るだけでは飽き足らない海外富裕層の旅行者に対応し、多様なプログラムをもとにオーダーメイドツアーを仕立てることで、高付加価値化を実現。
地域の魅力を地域と一体となって価値に変え、観光客と地域の双方に満足と感動を提供する、他地域でも参考になるモデルであるという点です。
素晴らしいっ!!
WORLD NEWS
Report「ITB Berlin 2018に参加して」
世界最大かつ最も重要なトラベル・ツーリズム・トレードフェアとして知られる「ITB Berlin」は、ツーリズム産業におけるバラエティ豊富な商品とサービスが世界中から集結し、様々な会議やイベントも行われる国際的な見本市として業界から高い評価を得ています。1万社を超える出展者にとってITBは、約18万人の来場者にディスティネーションの魅力をアピールし、11万人の専門ビジターとのビジネスを可能にする場として知られています。トレード・ビジターにとってITBは、世界180の国や地域の豊富な旅行商品について最新の情報を入手し、カウンターパートナーと直接コンタクトできる見逃せない重要な見本市です。
過去6年間毎年参加していていますが、観光産業の巨大さと多様性を肌で感じるにはITB Berlinが一番と考えています。ロンドンのWTMも規模は同じくらいと言われていますが、持続可能な観光を含むCSRプログラムが充実しており、各国のパビリオンとは別の場所にアドベンチャーやレスポンシブルツーリズム、LGBTなどが特設会場として取り扱われています。
日本のブースは毎年事業費が増加しているのか、見栄えも良くなってきましたが、隣接する韓国や台湾と比較するとまだま引けを感じてしまう規模です。
東京都は別枠でブースを建設し、数年前から国立公園などのアピールを初めているのが日本パビリオンの特徴です。
JNTOによるメディア向けの説明会もありましたが、いわゆるマスツーリズムの観光地や観光スポットの紹介だけで、実際に行くための手段やオペレーター、持続可能な観光についての紹介は残念ながらありませんでした。国際舞台での政府による観光PRが、よりわが国の特徴と強みをつかみ、ストーリーをメディアに書いていただくことができるように促して頂きたいものです。
JARTAでは、ブースはありませんが、日本で受注実績があるCSR的側面を大事にしているバイヤー数社(EXO、Buffalo Tours、Khiriなど)に挨拶をし、設立の趣旨を伝えてきました。
日本でもこの動きがあることは歓迎されたばかりか、具体的な商談の話にもなりましたので今後期待したいところです。
全体的な動きはやはり、持続可能な観光とオーバーツーリズム対応だったと思います。オランダの観光地国際認証団体であるGreen Destinationsの持続可能な観光100選に昨年リスト入りされた岩手県釜石市の「かまいしDMC」はJARTAの新正会員でもあり、代表の久保氏とITBを同行させて頂きました。
100選アワードセレモニーでEarth Awardを受賞されたパラオは、世界初の環境保護誓約「パラオ・プレッジ(Palau Pledge)」を2017年12月に開始し、パラオに入国するすべての旅行者に、パラオの子供たちのためにパラオの環境を守るよう、入国前にこの誓約への署名を義務付けるものです。パラオは人口2万人に満たない世界で13番目に小さい国であるにも関わらず、毎年16万人以上が国外から訪れており、旅行者の軽率な行動によってパラオの環境が破壊され、文化に悪影響をおこす可能性があるために、パラオ・プレッジのような取り組みが必要であると考えられるようになり、今回のアワード受賞となりました。
また、アジアの事例としては、フィリピンの新観光大臣が今までのキャンペーン「More funs in the Phillippines」に「Sustainable fun」を付加するなど政界トップによる持続可能な観光への動きが活発になりました。詳しくはITBベルリンニュースをご覧ください。
JARTAの取組は日本を基盤にしておりますが、その活動は「グローカル」に尽きると思います。このキーワードを軸に、日本から海外へ、海外から日本への双方交流を促し、地域における社会経済、環境、観光をうまく調和させながら旅行商品を企画・販売する旅行会社を増やしていくことが我々の使命であり、地球市民として果たしていかなばならない責任と感じています。
「グローカル(Glocal)とは、グローバル(Global:地球規模の、世界規模の)とローカル(Local:地方の、地域的な)を掛け合わせた造語で、「地球規模の視野で考え、地域視点で行動する(Think globally, act locally)」という考え方です。
グローバル化とローカル化を同時並行的に進めて、現地化しなければならないという日本企業の海外戦略の理念・ポリシーとして1980年代に発祥し、現在では世界的に環境問題、地域開発、政治、経済といったあらゆる分野で用いられています。
代表理事 高山 傑
2019.3.19 発行