そもそも「ブルーフラッグ」とは?〜最も歴史ある海辺の国際環境認証が目指すもの〜
一般社団法人JARTAでは、持続可能な観光(サステナブルツーリズム)の推進に向け、地域と連携した国際認証の活用に取り組んでいます。
今秋、東北・南三陸エリアをはじめ日本国内で注目を集める国際環境認証「ブルーフラッグ(Blue Flag)」。本Webサイトでは、10月に向けて「ブルーフラッグと描く地域の未来」と題した全4回の連載記事をお届けします。
認証の基本的な仕組みから、欧米の先進事例、東北・南三陸における地域還元のあり方、そして事務局であるJARTAの想いまでを紐解いていきます。
【連載ラインナップ(全4回)】
- 第1回:そもそも「ブルーフラッグ」とは?〜最も歴史ある海辺の国際環境認証が目指すもの〜(本記事)
- 第2回:ブルーフラッグがもたらす「本当の価値」〜欧米事例とサステナブル観光〜
- 第3回:東北・南三陸から考えるブルーフラッグの未来〜補助金の「先」にある地域還元〜
- 第4回:JARTAがブルーフラッグ推進に取り組む理由〜事務局として地域と歩むサステナブル観光〜
ブルーフラッグとは?1985年に誕生した世界で最も歴史ある海辺の環境認証
ブルーフラッグは、1985年にフランスで「子どもたちが手紙を入れたボトルを海に流す」環境教育プロジェクトから誕生し、現在は国際NGO FEE(環境教育基金)が実施している環境認証制度です。
海辺を対象とした国際認証としては世界で最も歴史が古く、現在では世界50カ国以上、5,200か所以上のビーチやマリーナ等で取得されています。日本国内でも、2016年にアジア初の認証を取得した高浜町(若狭和田ビーチ)や鎌倉市(由比ガ浜海水浴場)をはじめ、合計15か所に広がっています。
認証を取得した海辺には、青い旗(ブルーフラッグ)を掲出することが許され、訪れる旅行者や地域住民にとって「持続可能で高品質な海辺」であることの証明となります。
「ただ綺麗なだけ」では取れない!対象ごとに定められた厳しい認証基準
ブルーフラッグの最大の特徴は、単に「水質が良い」「海がきれい」という表面的な美しさだけでは取得できない点にあります。対象ごとに厳格な基準が定められており、毎年審査が行われます。
- ビーチ:4分野 33項目(水質、環境教育と情報提供、環境管理、安全とサービス・アクセシビリティ)
- マリーナ:6分野 37項目
- 観光船舶:5分野 51項目
例えばビーチの場合、水質検査の公開はもちろん、年間5回以上の「環境教育イベント」の実施や、車椅子ユーザーも海を楽しめる「バリアフリー対応(アクセシビリティ)」など、多角的な取り組みがすべてクリアされてはじめて認証が授与されます。
さらに、UNEP(国連環境計画)やUN Tourism(国連世界観光機関)とも連携しており、認証の基準自体がSDGsの17すべてのゴールに関連している点も大きな特徴です。
認証は「ゴール」ではなく、地域で育て続ける「スタート」
ブルーフラッグの最も重要な考え方は、「一度取ったら終わり」ではないということです。
審査は毎年行われ、基準を満たし続けなければフラッグを取り上げられてしまう厳格な更新制度となっています。つまり、ブルーフラッグを取得することは「ゴール」ではなく、地域全体でその環境や安全、地域コミュニティの絆を維持し、高め続けていくための「継続的なスタートライン」なのです。
課題を可視化し、地域住民、地元事業者、そして自治体が一体となって「自分たちの海をどう守り、どう活かしていくか」を考え実行していくツールこそが、ブルーフラッグプログラムの本質と言えます。
次回予告:地域にもたらす「本当の価値」とは?
次回(第2回)は、このブルーフラッグを取得することで地域や観光にどのようなメリットがあるのか?欧米などの先進事例や、サステナブル観光における地域還元・経済循環の視点から詳しくひも解いていきます。
(第2回へ続く)










